第2回インディペンデント映画大賞、ノミネート発表


第2回インディペンデント映画大賞、
ノミネート発表

作品賞:
★★『がむしゃら』
『いいにおいのする映画』
★『ストロボ ライト』
『野火』
『青春群青色の夏』
『赤い玉、』
『おんなのこきらい』
『ローリング』
『私たちのハァハァ』
『抱擁』
『Dressing Up ドレシッシング・アップ』

※作品賞受賞作品決定RTレース、RT獲得数第1位の『がむしゃら』が作品賞、RT獲得数第2位の『ストロボ ライト』が特別大賞受賞


監督賞:
冨永昌敬 『ローリング』
★塚本晋也『野火』
草野なつか 『螺旋銀河』
二宮健 『SLUM-POLIS』
濱口竜介 『ハッピーアワー』
菊地健雄 『ディアーディアー』
安川有果 『Dressing Up』
松居大悟 『私たちのハァハァ』

※塚本晋也が監督賞受賞


主演男優賞:
川瀬陽太 『ローリング』
渋川清彦 『お盆の弟』
塚本晋也 『野火』
金田侑生 『青春群青色の夏』
★吉村界人『いいにおいのする映画』
斉藤陽一郎 『ディアーディアー
アベラヒデノブ 『SLUM-POLIS』
渋川清彦 『下衆の愛』

※吉村界人が主演男優賞受賞

            
主演女優賞:
★蒼波純『世界の終わりのいずこねこ』
堀春菜 『ガンバレとかうるせぇ』
森川葵 『おんなのきらい』
中村映里子 『愛の小さな歴史』
飛田桃子 『みちていく』
柳英里紗 『ローリング』
祷キララ 『Dressing Up』
金子理江 『いいにおいのする映画』
★茉里『世界の終わりのいずこねこ』

※蒼波純、茉里が主演女優賞同時受賞
茉里が追加ノミネート


助演男優賞:
木口健太 『おんなのきらい』
光石研 『愛の小さな歴史』
三浦貴大 『ローリング』
鈴木卓爾 『Dressing Up』
桐生コウジ 『ディアーディアー』
★木村知貴『SLUM-POLIS』
古舘寛治 『下衆の愛』

※木村知貴が助演男優賞受賞


助演女優賞:
★井上早紀『おんなのこきらい』
高橋愛実 『愛の小さな歴史』
山田由梨 『みちていく』
中村唯 『青春群青色の夏』
井上苑子 『私たちのハァハァ』
小野亮子 『SLUM-POLIS』
村上由規乃 『赤い玉、』
岡野真也 『下衆の愛』

※井上早紀が助演女優賞受賞


以上「作品賞」、「監督賞」、「主演男優賞」、「主演女優賞」の4部門において行われた受賞作品(者)決定RTレースの受賞結果掲載。「助演男優賞」、「助演女優賞」の2部門においては受賞者決定RTレースのは行いませんでした。上記6部門以外の技術賞部門他ついてはノミネート制度はございません。ご了承ください。


第2回インディペンデント映画大賞、作品賞ノミネート11作品決定!!


第2回インディペンデント映画大賞、
作品賞ノミネート11作品決定!!


No.1 がむしゃら
No.2 いいにおいのする映画
No.3 ストロボ ライト
No.4 野火
No.5 青春群青色の夏
No.6 赤い玉、
No.7 おんなのこきらい
No.8 ローリング
No.9 私たちのハァハァ
No.10 抱擁
No.11 Dressing Up ドレッシングアップ


※以下ノミネート決定過程記載致します。

作品賞ノミネート候補21作品を主宰者側が選定。ここから作品賞正式ノミネート11作品に絞るにあたって、作品賞正式ノミネート11作品決定RT(リツイート)レースを開催。主宰者ツイッターアカウント(映画を伝える、JODIE @flm_6)より発信の、作品賞ノミネート候補21作品それぞれの「作品紹介ツイート」のRT獲得数上位11作品が、作品賞正式ノミネート11作品に決定。


以下、ノミネート候補21作品の
「作品紹介ツイート」の最終RT獲得数

がむしゃら 89RT
いいにおいのする映画 41RT
ストロボ ライト 39RT
野火 37RT
青春群青色の夏 26RT
赤い玉、 22RT
おんなのこきらい 20RT
ローリング 19RT
私たちのハァハァ 19RT
抱擁 18RT
Dressing Up 16RT
ーーーーーーーーーーーーー
ガンバレとかうるせぇ 15RT
お盆の弟 15RT
ディアーディアー 12RT
愛の小さな歴史 11RT
7's 10RT
SLUM-POLIS 9RT
ハッピーアワー 8RT
息を殺して 7RT
3泊4日、5時の鐘 5RT
みちていく 4RT

「作品紹介ツイート」RT獲得数上位11作品(太字)が作品賞正式ノミネート11作品となります。また、第2回インディペンデント映画大賞、ベスト11入りも決定します。また、作品賞受賞作品決定RTレースの参加権を獲得します。


第2回インディペンデント映画大賞、ノミネート候補作品発表

第2回インディペンデント映画大賞、
ノミネート候補作品

『ワンダフルワールドエンド』
『世界の終わりのいずこねこ』
『アイアンガール ULTIMATE WEAPON』
『D坂の殺人事件』
『クレヴァニ、愛のトンネル』
『正しく生きる』
『小さき声のカノン』
『ら』
『灰色の鳥』
『死神ターニャ』
『がむしゃら』
『君がいなくちゃだめなんだ』
『BAR神風~誤魔化しドライブ』
『ナオトひとりっきり』
『セシウムと少女』
『抱擁』
『ガンバレとかうるせぇ』
『マイノリティとセックスに関する極私的恋愛映画』
『スーパーローカルヒーロー』
『ゆめはるか』
『おんなのこきらい』
『アラヤシキの住人たち』
『愛の小さな歴史』
『メイクルーム』
『THE COCKPIT』
『みちていく』
『あっちゃん』
『道しるべ』
『ローリング』
『息を殺して』
『ストロボ ライト』
『デュアル・シティ』
『ニート・オブ・ザ・デッド』
『ロード・オブ・ツリメラ』
『群青色の、とおり道』
『お盆の弟』
『眠れる美女の限界』
『Dressing Up ドレッシングアップ』
『野火』
『青春群青色の夏』
『私たちのハァハァ』
『螺旋銀河』  
『マイカット』
『101回目のベッド・イン』
『いいにおいのする映画』
『劇場版 復讐のドミノマスク』
『3泊4日、5時の鐘』
『野良犬はダンスを踊る』
『ディアーディアー』
『SLUM-POLIS』
『赤い玉、』
『戦場ぬ止み』
『かぐらめ』
『アレノ』
『下衆の愛』
『7s セブンス』
『徘徊 マリリン87歳の夏』
『友だちのパパが好き』
『ハッピーアワー』

※以上のノミネート候補作品のうちから、作品賞ノミネート最終候補21作品、監督賞ノミネート、主演男優賞ノミネート、主演女優賞ノミネート、助演男優賞ノミネート、助演女優賞ノミネート作品(者)を選出させていただきました。また、以上のノミネート候補作品のうちから、脚本賞、撮影賞、編集賞、音楽賞、審査員賞の受賞作品を選出させていただきました。


第2回インディペンデント映画大賞、主演女優賞受賞者決定RTレースの、追加RTレース終了。

第2回インディペンデント映画大賞、主演女優賞受賞決定RTレースの件で多くの批判が寄せられています。本当に悩み悩みましたが、
主演女優賞ノミネート者に「茉里」さんを追加させていただいて、RTレースを開催させていただくことに決定致しました。

ただ、主演女優賞受賞者決定RTレースは既に終了し、

蒼波純 39
堀春菜 16
森川葵 18
中村映里子 5
飛田桃子 6
柳英里紗 9
祷キララ 11
金子理江 15

以上RT獲得数第1位の蒼波純さんが主演女優賞受賞となりました。(対象作品は『世界の終わりのいずこねこ』)
蒼波純さんの主演女優賞受賞決定は覆りませんが、追加ノミネート者となる「茉里」さんの(ノミネート者紹介ツイート)RT獲得数が39以上になった場合、蒼波純さんと茉里さんの主演女優賞W受賞という形を取らせていただきます。

開催期間は12月4日22時~12月7日12時とさせていただきます。よろしくお願い致します!!

主演女優賞受賞者決定RTレースの、追加RTレースが終了し、追加ノミネート者の「茉里」さんの(ノミネート者紹介ツイート)RT獲得数が39以上の46となったため、蒼波純さんと茉里さんの主演女優賞W受賞が決定致しました。



第2回インディペンデント映画大賞、主演女優賞受賞者決定RTレースへのご意見に対する声明。

第2回インディペンデント映画大賞、主演女優賞受賞者決定RTレースを行っていく過程で多くのご意見をいただきました。

そのご意見の大半が「なぜ、蒼波純さんが主演女優賞ノミネートなのか?」というものでした。詳しく言いますと、主催者である私JODIEは、蒼波純さんの主演女優賞ノミネート対象作品を『世界の終わりのいずこねこ』としていて、「『世界の終わりのいずこねこ』の主演は茉里さんであって、蒼波純さんは助演なのに、なぜ蒼波純さんが主演女優賞ノミネートなのか?」というご意見でした。

まず、私JODIEが言いたいのは、この映画を初めから終わりまで見ているということです。終末感と現在性をパワフルに湛えながら、アイドルたちにストーリーを語らせ、瑞々しさと時代の痛切を容赦なくたたきこんでくるその姿勢。そこにおける茉里さんと、蒼波純さんの存在感は只ならぬものでした。

当然、茉里さんの演技レベルが低いから、主演女優賞ノミネートさせなかったというわけではありません。断じてありません。ただ、私の中で「蒼波純」という存在の登場は想像を超えるような、雷が脳天に落ちまくるような衝撃だったのです。

そしてそれは、インディペンデント映画大賞のノミネート者選考にあたっても、茉里さんが主演で、蒼波純さんが助演というカテゴリー分けも超えてくるような、超えてもいいのではないかと思わせてくれるような演技表現だったのです。

もちろん助演女優賞ノミネートも考えましたが、やはり主演=リーディング・ロールに相応しい演技と存在感に蒼波純の主演女優賞ノミネートを決定致しました。

私はここで、米アカデミー賞において『愛を読むひと』で主演女優賞を受賞したケイト・ウィンスレットについて言及したいと思います。彼女は明らかに助演=サポーティング・ロールで、主演は青年役のダフィット・クロスでした。しかし彼女がアカデミー賞主演女優賞受賞ときいてもなんら遜色はないどころか、画面を支配し観客を圧倒するその演技表現はまさに主演級だったということができます。そもそもケイト・ウィンスレットという女優くらいになるとノミネートを目指すにあたって製作スタジオなどが主演プッシュするのは当然でしょう。私が言いたいのは、存在感の話です。

蒼波純は、主演級だった。

また身も蓋もないこと言えば、それが主演であるか助演であるかという区分自体が不明瞭なものです。演技者それぞれが作品世界に対してどれだけ貢献できているのか、それだけが重要で、大きな役であれ小さな役であれ、作品への貢献度という意味で抜きんでている人こそが、過大なほど評価されるべきだと思っています。

私の声明は以上です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

第2回インディペンデント映画大賞、作品賞ノミネート候補21作品決定!!

第2回インディペンデント映画大賞、作品賞ノミネート最終候補21作品決定!!


1 がむしゃら
2 抱擁
3 ガンバレとかうるせぇ
4 おんなのこきらい
5 愛の小さな歴史
6 みちていく
7 ローリング
8 息を殺して
9 ストロボ ライト
10 お盆の弟
11 Dressing Up ドレッシング・アップ
12 野火
13 青春群青色の夏
14 私たちのハァハァ
15 いいにおいのする映画
16 3泊4日、5時の鐘
17 ディアーディアー
18 SLUM-POLIS
19 赤い玉、
20 7sセブンス
21 ハッピーアワー


以上、作品賞ノミネート候補21作品掲載。21作品の紹介ツイートのRT獲得数上位11作品が正式ノミネートを獲得します。

『さよなら歌舞伎町』『夜があけたら』出演、湯舟すぴかさん独占インタビュー!!

 【インタビュー企画第2弾!!】

『さよなら歌舞伎町』『ストロボ・エッジ』『夜があけたら』など、インディペンデント、メジャー、舞台など幅広く活躍されている気鋭女優・湯舟すぴかさんへの独占インタビューに成功致しました!!

すぴかさんの映画への熱い想いが伝わってくるインタビューとなりました!!
是非お楽しみくださいませ!!


―この度はインタビューを受けてくださりありがとうございます!!心から感謝致します。

いいえ。むしろ私にお声がけいただくなんて光栄です。ありがとうございます。

―早速なのですが、多くの作品に出演されておられる湯舟すぴかさんですが、主な映画作品への出演作群を教えていただけますでしょうか?

まだそんなに多くはないんです。わたしはOLをやっていたところから、脱サラ後に小劇場に足を踏み入れた人間で、映像の方に来たのは3年前くらいなので、まだ若輩者です。最近の劇場公開作だと武田梨奈さん主演で川村清人監督が撮った『夜があけたら』や、廣木隆一監督の『さよなら歌舞伎町』、『ストロボ・エッジ』などがあります。

尾野真千子さん主演の『心中天使』や、片岡礼子さん、塚本晋也さん出演の『溺れる人』を監督されている一尾直樹監督のショートムービー『私のいない世界 RENDEZVOUS』にも主演させて戴きました。
『私のいない世界 RENDEZVOUS』 
https://vimeo.com/129960736

―インディペンデント映画から、メジャー映画まで出演作が幅広いですね!
『夜があけたら』の昭美役はとても強烈でしたが、どのように役作りをされましたか?

正直、台本いただいたときに、どうしよう…こんなアプローチの役やったことないし、どうやろう、と思ったんですが、ふと昭美には昭美なりの正義というか、彼女のなかの回路があるんだろうなと思って。客観を一度捨てて、相手をどうしたいのか、なんの目的でそこに居るのかを考えました。出番は短いですけど、主人公を突き落とす重要な役どころだったので、ちゃんと役割を果たさないとマズいなと。
他にも、衣装や小道具は自分で原宿や下北沢を巡って、見た目にも頼らせて貰いました。アクセサリーやインパクトのある服は、わたし提案で川村監督にOKを貰いました。

―確かに、ご自分でコーディネートされた見た目のインパクトもありますし、「主人公を突き落とす」様が鮮烈でした。主人公役の女性との表情合戦という意味でもとてもスリリングなシーンでしたね。

話は変わりますが、『さよなら歌舞伎町』の撮影現場の様子はどうでしたか?すぴかさんは以前ツイートで「とてもいい現場だった」とおっしゃっていたと思うのですが。

そもそも廣木隆一監督とは、2012年の『海辺の町で』が最初なんです。3.11以降の福島で撮った作品で、まず「芝居をしないこと」を求められました。カメラの前にただ居ることって、お恥ずかしい話ですが、それまでやったことがなかったんですね。

相手役の門脇麦ちゃんとのシーンで長回しがあったのですが、NGテイクで「寄り添ってはダメ」と言われたことをよく覚えています。そのとき頭で芝居をしていたからです。福島の風景や波音、そして目の前の麦ちゃんにゆだねて、ただ存在すること、そういう大切なことを教えてもらったと思っています。

『さよなら歌舞伎町』は、そんな『海辺の町で』からのご縁で現場に呼んでいただけたんです。田口トモロヲさん扮するデリヘル店長の元で働く嬢役でした。台本上では役名もなかったのですが、現場で名前を付けてくださったり、緊張を解こうとしてくださったのか肩を揉んでくださったりして…(笑)とても愛にあふれた現場だなと思いました。

廣木組は他にもWOWOWの現場にも呼んでいただいたり、実は何度もお世話になっていますが、スタッフワークも素晴らしいんですね。撮りきるのも早いし、なにより廣木さんのジャッジがすごく早いんです。いつも仕事をしているメンバーなので、信頼感があって、それで特有の雰囲気があるのだとも思います。そんな中でお仕事させていただけるのは、本当に幸せだなと思っています。

―門脇麦さんとのお話すごい!!

廣木監督の現場はあたたかいということを、すぴかさんも含めて色んな俳優さんがおっしゃっています。そういう監督さんの下で演技表現するのは楽しそうですね。

麦ちゃんは撮影当時、まだ『愛の渦』のクランクイン前でしたが、あの頃から惹きつけるものが確固としてあって。顔合わせの日、たくさん人がいる部屋に入ったのに、吸い込まれるようにして彼女を見てしまったのを忘れられません。
そういう意味では、すごくニュートラルに現場に居れましたね。実際フォトグラファー役として、現地の瓦礫のなかで私もシャッターを切っていたんですが、冬の寒い時期でもそこに佇む麦ちゃんを撮っているのは不思議と辛くありませんでした。

廣木さんは、本当にすごい方で、どんな役の人のこともちゃんと見てくれてるんです。でもその分、「せっかく呼んで下さったのに、ヘマ出来ない」と思って、特に最初の頃は現場で縮こまっていたように思います。やっと最近になってリラックスして現場に臨めるようになりました。とにかく、現場で受けた愛は現場でお返しするしかないので、芝居で還せるように精進したいと思っています。

―廣木監督の現場はあたたかく、しかし誰よりも本気を見抜く現場には緊張感もみなぎっていそうですね。

門脇さん、廣木監督をべた褒めするインタビューになってきたので(笑)、すぴかさんのことをもっと聞いていきたいと思います。

―すぴかさんが演技表現していく上で最も大切にしていることなんですか?

すみません(笑)つい好きなひとの話になると熱が入ってしまって。
大切にしていること…なんだろう、あらためて問われると、難しいですね。うーん……「嘘をつかないこと」、ですかね..

これはほんとに最近きづいたことなんですけど、たぶん「どう見られるか」ばかり考えていたんですね、昔は。だから、薄っぺらい、どっかで見た事あるような、型にはまった演技になりがちだったんじゃないかなと。
…上手い俳優になりたかったんです、以前は。でも、最近は、上手い訳じゃないんだけど…何故か目で追ってしまうような、そんな俳優こそが素敵だなと思うようになって。そういうひとって誠実で、相手役のためにきちんとそこに居れているんですよね。だから「ちゃんと、本当にしている」。…これ、つたわりますかね?(苦笑)本当だから、芝居に嘘がないんです。

―それというのはメソッド演技に近い形での演技表現ということですよね。その人に成りきる、という。最近なら『百円の恋』の安藤サクラさんがまさに「成りきる」という意味でとてもわかりやすい例だったと思います。

サクラさん、大好きです。ご本人は柔和な、とても素敵な方なのに、あんなにパワフルでゴリゴリな役が出来るのはすごいですよね。

成る、というか、そこに「入る」感覚の方が私は近いような気がします。現場の環境、それはその場所の光とか、物とか、臭いとか…いろいろありますけど、そこに行って初めて見えてくるものもあるというか。
例えば、ただ美術のひとつとして置いてあるだけのリンゴがあったとして。その役にとっては嫌な思い出のアイテムかもしれないし、好物かもしれない。恋人を想起させるものかもしれないし、悲しみの象徴かもしれない。そんな風に、取り巻くものに役が造られるところも大きいと思うんです。もちろん現場に入る前に、具体的なもので役を充たしていないとダメなんですが。

―成るではなく、入る、ですか。演技論のようになってきてド素人の私には難しい領域に入っていきそうです。

お手本にしている俳優さん、好きな俳優さんなど、いらっしゃったら教えてください。

好きな俳優は、高峰秀子さんです。最近、昔の映画を観てみようと思って借りたりして。高峰さんは、芯のある女性の強さがあって好きなんです。

―なるほど。『浮雲』はご覧になりましたか?あれほどまでに緊迫した男と女のやりとりをみられることは映画史上においても稀です。

はい、観ました。まだ成瀬巳喜男監督のは少ないですが、個人的には『乱れる』の葛藤する高峰さんがすごく好きで。ラストはもう、倒れ伏しそうでした…。演技もそうですが、佇まいが凛として美しいところも好きなんです。

―わかります、倒れ伏す。

すぴかさんのお好きな女優さんのお話を伺えたところで。少し話を変えたいと思います。

―今の日本映画界、特に日本のインディペンデント映画界について思うことを教えてください。日本映画界の生の現場で、すぴかさんは何を感じられているのか。

やはり、インディペンデント映画は監督の「これを今つくらねばならない!」という想いや衝動が詰まっていて、熱い作品が多いですよね。もちろん商業でもそういう作品がないわけではありませんが、題材や演出面でいろんな制約もあるでしょうし。

ただ、インディペンデントも現場の予算や配給の面で大変だと思います。蓋を開けてみたら口コミで拡がるパターンもありますが、いずれにせよ、やはり観てもらわないとと思います。最近は映画祭に掛かってはじめて注目してもらえることも多いですよね。逆に掛からないと始まらないというか…。最近は良かれ悪しかれクラウドファンディングが増えてきていて、すこし流れが変わってきているのかもしれませんが。

現場については、個人的には役どころにもよりますが、監督と遣り取りをさせて貰いやすい印象があります。一緒に案を揉んで試させて貰えたり、そういう楽しさはありますね。

でも、最近思うようになったのは、商業もインディペンデントも、どちらも根本は変わらないんじゃないかなということです。その作品を観て「観てよかった」「いまこれが必要だった」って、届くべきひとのもとへ届いたら素敵だなと思うんです。
だからこそ、より多くの方に観て欲しいし、いろんなものを劇場から持って帰ってもらって、大切なひとと議論したり、日常のとらえ方がすこしだけ変わったり、そんなふうに日々を豊かにすることができたらって。

いまはネットの時代で、無料の楽しいコンテンツが満載で、なんでも受動で流れ込んでくるんですよね。でも劇場には、自ら足を運んで、お金を出して観に行かなくちゃいけない。しかも答えを提示されるんじゃなくて、観て自分で考えなきゃいけない。だからこそ、すきなものを見つけて選ぶ楽しさを、そしてスクリーンで体感する喜びを、知ってもらいたいなと思っています。

―なるほど。

やはりひとえにインディペンデント映画とはいっても一長一短あるわけですが、おっしゃられていた「商業もインディペンデントも根本は変わらない」理由についてもう少しお伺いしたいです。

ええと…さきほどお話ししたことは、俳優として映画に対する精神のようなものについてなんです。演じる側としては、ただ作品や役と真摯に向き合うことに変わりはありませんから。今度は具体的にどのような観点でお話すればよいのでしょうか。
私は、インディペンデントじゃないとダメだとか、商業だからダメだとか、そんな風には思って欲しくないというか…

―そうですね。

…おそらくJODIEさんの、本当は切り込んで聞いてみたいことも幾分か分かってはいるつもりです。商業映画の題材や、キャスティングに対して疑問を持つ声もあることも。でも、興行で回収できることが前提で企画されたものですから…「売る」前提でお金を集めたものは、「売れ」なければならないんです。そこが悲しくも厳しい現状です。商業映画は娯楽でありながらビジネスです。だから作り手も売れなければ、次の創作の場を失ってしまいます。反対に、人がたくさん入れば、またさらに面白い映画をつくれるかもしれないんです。製作資金が増えれば、単純にできる選択肢も増えますし。

そしてインディペンデントは、攻めた脚本やオリジナルの手法を試すことができたりする一方で、資金繰りが苦しかったり、撮影日数や人手も限られるため、できること、借りられるもの、現場の人数など、たくさんの制約が出てきます。俳優にとっても様々な意味で負担を多く強いられることもあります。
でも、わたしはどちらが悪いとか、どちらが良いとかは思っていません。それぞれに素晴らしいところがあって、それぞれに課題がある。ただそれだけです。わたしは両者の間で、観客をつなぐ架け橋のひとつになれたら、すごく嬉しいと思います。特に今年は学生映画の現場にも初めて参加したので、感じたことはたくさんありました。けれど、面白いものが作りたい、ただそれだけなんだなあと改めて思いました。

―すぴかさんのおっしゃられている通り、「想いや衝動」が詰まった映画は、それがインディペンデントであれ、商業映画であれ関係がないというか、多くの観客の心に届いてはなさないのだと思います。

すぴかさんが最近出会った熱い映画、旧作新作問わず教えてください!

熱いというか、ほんとに細胞レベルで震撼したのは、塚本晋也監督の『野火』です。わたしは戦争映画って苦手なんです。あまり陰惨な描写そのものが得意な方ではなくて。でも、『野火』はいま見なくちゃいけないと思ったし、観てよかったと思いました。あとから戦車や銃器の裏話を聞いて更におどろいたんですが、インディペンデントでも、ここまでやれるのか、と思いました。

すこし前ですが『お盆の弟』『ソレダケ that's it』『ローリング』も好きです。映画俳優って本当にいいなと思ったし、なにより映画が好きな方々が創りあげた幸せな作品だなと思いました。
それと卒業制作ですけど、新宿武蔵野館で掛かった『SLUM-POLIS』には正直びっくりしました。映画界に祝福されたひとかもしれないです、二宮健監督は。彼とは今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で初めてお会いして作品を拝見したのですが、映画の蓄積が半端ないんですよね。末恐ろしいひとです。

―ニノケンさん和製スピルバーグといっても過言ではないのでは。すでに巨匠の感がありますよね。オタクなところも同じ(笑)

今年も、挙げてくださった作品群が証明するようにインディペンデント映画が熱いですね。もっとたくさんのインディペンデント映画が公開され、ヒットしていくような流れになっていくことを願うばかりです。

再びになりますがインディペンデント映画、商業映画、舞台にと幅広く活躍されているすぴかさんですが、今後どのような女優になっていきたいと考えておられますか?

そうですね、活動の範囲は特に制限している訳ではないので、今後も需要があるなら何でも挑戦してみたいです。自分では思ってもみなかった役をいただけたり、台本という2次元のものを実際に立ち上げて、キャラクターや世界を拡げられる、そういう現場にしかない刺激や驚きが、ほんとうに身に余る幸せで、もちろん大変なこともありますが、できるかぎりずっと現場に必要とされる俳優でありたいと思っています。まだ未知ではありますが、わたしにしかできない表現というものを見つけていきたいです。

―すてきです。同じくすぴかさんの言葉のチョイス、多分読者の方も思われると思うのですが、すてきです。

ありがとうございます。
わたしも、まだ未熟者ながら、こうして自分の想いを改めて、具体的にお話させていただける機会をいただけて嬉しいです。

―ありがとうございます!!
最後に、映画ファンの皆様にメッセージをお願い致します!!


次々に趣のある素敵な映画館が閉館してゆく時代、そして映画づくりが困難を極める日本映画界において、わたしにできることは少ないかもしれません。でも、皆様には是非これからも、たくさん映画を観てほしいです。もちろんスクリーンで、です。

観てもらわなければ、わたしたちは作り続けることができません。わたしはこれからも素晴らしい作品が生まれるのを目撃していたいし、可能であればその作品の中で生きていたいです。

わたしはこれからも俳優としてやるべきことを精進してゆきます。もっともっと観ていただけるように、己を磨いてゆきます。生活のなかの影に少しでも光を灯せるような、また、光のなかに在る陰を見落とさずに見つめることもできるような、そんな俳優になりたいです。よろしければ、今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。こんなに長いインタビューを、最後まで読んでくださったあなたに、こころからの感謝を。ありがとうございました。


―今回はお忙しいなか、ひとつひとつの質問に丁寧にお答えくださってありがとうございました!!心より感謝を申し上げます!!

【湯舟すぴか プロフィール】
1986年宮崎県出身。2010年、谷賢一演出の舞台にて小劇場デビュー。その後2012年より映像にも活動の幅を広げ、インディペンデントから商業映画までフリーながら精力的に活動。主な出演作には映画『夜があけたら』『さよなら歌舞伎町』『ストロボ・エッジ』、ドラマ『ソドムの林檎』『平成猿蟹合戦図』『となりの関くんとるみちゃんの事象』などがある。名前は本名。現在、いくつかの出演作が公開待機中。

Twitter @sea_horse_
DEMO REEL https://youtu.be/gsRWE_jQlVc

『ガンバレとかうるせぇ』主演・堀春菜さん独占インタビュー!!

『ガンバレとかうるせぇ』主演・堀春菜さんへの独占インタビューに成功!!
「映画を伝える、JODIE」のツイッターアカウントにてインタビュー内容の一部をご紹介いたしましたが、今回はインタビュー全内容を余すことなくお送りいたします!

質問は私JODIEが行わせていただきました。
※堀さんの返答内容は太字にしています

―まずは、『ガンバレとかうるせぇ』に出演された経緯について教えてください。

佐藤監督からTwitterで連絡が来ました(笑)
私が中学生の時に受けたワークショップで佐藤監督がたまたまスタッフとして入っていて覚えていてくれました。
その後、私は役者の活動はせずに学生生活を送っていましたが、ある舞台が決まったことがきっかけにTwitterをはじめたら次の日くらいに佐藤監督からリプがきて、、それが出演することになったきっかけです。

―なるほど!Twitterすごいですね!!
 となると、堀さんは中学生の時から役者を目指されていたのですか?

役者になりたいと思ったのは小学校1年の時です。幼稚園の先生が出演していた市民ミュージカルを観て、わたしも舞台に立ちたいと思いました。3歳の頃からダンスをやっていて踊ることなどが大好きだったので惹かれたのかと思います。

―早くから役者への道を志されていたのですね!
堀さんの演技を拝見していると、体全体から感情や想いのようなものが自然と伝わってきて、しかもそれが大袈裟ではない。やはり自然なんですね。そこに感銘を受けますし、そこが堀さんの凄さだと思っているのですが、演じる上で大切にしていることはありますか?また、参考にしていたり、尊敬している俳優さんはいますか?

ありがとうございます。
実際には活動をはじめたのは最近なのですが、! 『ガンバレとかうるせぇ』に関して言えば、初めての映像作品で突然主演が決まり、とにかく作品を壊したらいけない、だけど演技なんてどうやっていいのか分からないと、私自身がとても追い込まれていたのが、ちょうど役ともはまって、広瀬菜津と半分、堀春菜のままで臨んだようなものです。
だから、どう演技しようとかのプランはあまり、考えられていなかったですね。とにかく、必死に菜津に近づこうとしていました。他の作品でも、私はまだ演技をどうやったら良いのかわかっていないのですが、共通してその役っぽい音楽を一曲決めるようにしています。その曲を聞いたら役のモードに、入れるようにです。

尊敬している役者さんは満島ひかりさんです。存在に魂が感じられる満島さんみたいになりたいです。

―「その役っぽい音楽を一曲決める」という演技アプローチははじめて聞いたものなのでとても興味深く、驚きました。『ガンバレとかうるせぇ』ではどんな曲が流れていたのですか?

『ガンバレとかうるせぇ』では佐藤監督が事前にCDに菜津が聞きそうな音楽集を作って渡してくれていて。そこにはTHE BACK HORNなどの曲が入っていていつも聞いていました。

―尊敬している女優さんは満島ひかりさん、ということですが、腑に落ちるものがあります。体全体で演技表現する、できる、という点で満島さんと堀さんは似ていると思うのです。背中で語れる女優さんといいますか。安藤サクラさんも同じタイプですね。

安藤サクラさんも大好きです。実は中学生の時、満島さんと安藤さんと同じ事務所の研究生として一年ほどお世話になっていました。活動はしてなかったですけど、その時の経験がいま、とても生きていると感じています。

―NHKの第12回ミニミニ映像大賞、グランプリ受賞の『time』(中川駿監督)も拝見しましたが、ここでも部活マネージャー役を演じていらっしゃいます。ここでもやはり堀さんの演技には見惚れてしまいました。なんでこんなすごい演技ができるのだ!…。すみません、一人で興奮してしまった(笑)

出演されている映像作品は『ガンバレとかうるせぇ』と『time』の二つということになるのでしょうか?また舞台にも出演されていますね!映画に舞台に、忙しい毎日かと思うのですが、リフレッシュなどはどのようにされているのですか?

他にも公開されているものだったらOriHimeという、ロボットのプロモーション映像にも出ています。 ラスベガスで流れたらしいです(笑) あとは今、絶賛編集中ですね!

リフレッシュ、、。どうしてるのかな。映像や舞台の現場は、まだまだ私はうまく出来なくて悔しい思いをすることが多いのですが、それでもやっぱりずっとやりたかったことなので、今、とても楽しいです。

仕事がない日は、映画を観たり本を読んだりします。

―映像や舞台の仕事が楽しい!と心から思えるのって、やっぱり今後女優の道を進んで行かれる上で最も重要なことだし、一番の強みになると思います。実際、堀さん演じることが大好きなことが画面から溢れんばかりに伝わってきますから。

最近観た映画でお気に入りの映画はありましたか?

ありがとうございます。

最近観た映画では、『縞模様のパジャマの少年』が心に刺さってきました。DVDですが、、。上映中の映画では『百円の恋』がとても好きでした。

―「縞模様のパジャマの少年」といいますと、ホロコーストのお話ですね。私もまた見てみたいと思います。おー!!「百円の恋」ご覧になられたのですね!武正晴監督と安藤サクラさんの渾身の演出と演技がぶつかり合っていて強烈でしたよね。

さて、先ほどご紹介していただいたプロモーション映像を見させていただきました!堀さんの笑顔がとてもすてきですが、それと同じくらいOriHimeという商品も素敵ですね!ラスベガスでも流れたということで、堀さんは既にハリウッドデビューされているというわけですね(笑)

ありがとうございます。OriHime、とても素敵なロボットだなぁと思いました。

―いつまででもお話していたいのですが、堀さんを早く解放せねば!この度は映画や舞台などにお忙しい中、インタビューを引き受けてくださいましてありがとうございました!!一つひとつの質問に丁寧に答えてくださったこと、心から感謝しております。これからも、熱い、力強い演技を期待しております。
本当にありがとうございました!!

ありがとうございます。私もインタビューしてくださって嬉しかったです。

―最後に何か一言ありましたらぜひ。

役者をはじめてから多くの方との出会いに恵まれ、本当に幸せです。これから、役者として、人間として、成長出来るように一つ一つがんばっていきたいと思っています。応援していただけたら嬉しいです。ありがとうございました!!

第1回インディペンデント映画大賞 ベスト11

第1回インディペンデント映画大賞
ベスト11発表!!
 
 1 百円の恋
 2 こっぱみじん
 3 ひとまずすすめ
 4 捨てがたき人々
 5 サッドティー
 5 ぼんとリンちゃん
 7 おとぎ話みたい
 8 水の声を聞く
 9 FORMA
 10 ある優しき殺人者の記録
 11 不気味なものの肌に触れる


ベスト11は、作品賞を決定するRTレースのRT獲得数による順位。RT獲得数第1位『百円の恋』が作品賞受賞、RT獲得数第2位『こっぱみじん』が特別大賞受賞。

第1回インディペンデント映画大賞、受賞結果発表!!


作品賞:
『百円の恋』
配給:SPOTTED PRODUCTIONS


特別大賞:
『こっぱみじん』
配給:トラヴィス


監督賞: 白石晃士
『ある優しき殺人者の記録』
『殺人ワークショップ』



主演男優賞: 宇野祥平
『殺人ワークショップ』


主演女優賞: 趣里
『おとぎ話みたい』


助演男優賞: 坂田聡
『百円の恋』


助演女優賞: 星野かよ
『サッドティー』


脚本賞: 足立紳
『百円の恋』


撮影賞: 今井孝博
『おとぎ話みたい』


編集賞:
『FORMA』


第1回記念賞:我妻三輪子
(2014年度における類い稀なる女優活動、
その将来性に対して)



※第1回インディペンデント映画大賞、受賞結果のうち「作品賞」「特別大賞」の2部門において受賞作品決定RTレースを開催。ノミネート11作品のうち、ノミネート作品紹介ツイートのRT獲得数第1位作品が作品賞、RT獲得数第2位作品が特別大賞をそれぞれ受賞。

上記2部門以外については受賞作品決定(者)RTレースは開催せず、主催者(映画を伝える、JODIE @flm_6)が受賞作品(者)を選出。



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インディペンデント映画大賞
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